うつくしいもの

仕事を終え、部屋を出た。
館内はすでに灯りが落とされていた。
窓越しに浮かぶ街灯の明るさを頼りに歩く。

外に出ると、むっとした熱気に包まれた。
しばらく歩き続けていると、首筋がじんわりと汗ばむ。
ここはやはり日本とは違うんだ、と改めて思う。

部屋に着き、早々にベッドへもぐりこんだ。
しばらくの時間眠れたせいか、目が覚めると頭がすっきりしていた。
窓を開けぼんやりと外を眺めると
おじいやおばぁ、山羊や馬、木や男の子らが
地べたに座り、夜のなかを語り合っている姿が見える。
誘われるように、サンダルをつっかけ散歩へ出た。

暗闇の中、湿気のある風が流れている。
おばぁたちと同じように、腰を下ろした。
土はあたたかく、青い草の匂いがした。
寝転ぶと、空には隅から隅まで光る点が埋め尽くしていた。
隙間が無いんじゃないかと思うほど、びっしりと、ぎゅっと。
なんてうつくしいんだろう。
ただただ眺めていた。

眺めているうちに、怖いなぁとなんとなく思う。
だけどまだ見ていたい、とも思う。
そのまま眺めていた。

あなたにも見せられたら。
目が覚めたときに、そう思ったんだ。
うつくしいものをともに、と。
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by uminomiti | 2010-01-06 06:36 | そして。
ふと、なんとなく考えたこと、感じたこと、な日々。