その先のストーリーへ。

e0082908_8543427.jpg先日。無事に大学を卒業した。

大学の卒業式の日。
研究室を訪れたら
先生がコーヒーを入れてくれた。
豆をひき
お湯を注ぎ
少しずつ落ちていく。
先生からの、はなむけのコーヒー。

コーヒーを入れている
その姿を見ていたら
嬉しいような、寂しいような
はがゆいような
なんともいえない気持ちがした。
なんだろうね、これは。
頂いた暖かいコーヒーを飲みながら
ぼんやりとそれをなぞっていたら
なんだか色んなことを思い出した。

まだ社会人なりたての頃。
出社すると
部屋の中には
柔らかいコーヒーの香りがしていた。
いつも仕事前に1杯のコーヒーを飲んで
ゆったりと1日の開始を待つ人がいたからだ。

無類のコーヒー好きらしく
豆をひき、湯を注ぎ、少しずつ落としていく
その工程さえ、楽しんでいる様子だった。
何を話すわけでもなく
ただコーヒーをゆっくり1杯飲む。
たばこの匂いとコーヒーの香り。
その静かなゆったりとした時間は
日常から少し離れているような
非現実的な時間のような気がして
なんとなく好きだった。

でも、それもわずかな時間だった。

会社の上層部で色々なトラブルが起き
その影響で現場自体も分裂し
社員それぞれが疑心暗鬼な状態になり
暗い穴に皆が落ちてしまった。
それぞれが守ろうとするものや、想いは
根底では同じなのに
ほんの少し歯車が狂ってしまったことで
全体が修正が効かない状態にまで分断してしまった。
そして多くの人が、この職場を去る決断をした。
彼もまたその1人だった。

渦中の時も、そして退職するその日も
彼は開始前のコーヒーを丁寧に入れていた。
そして当たり前のようにもうひとつ用意してくれた。
いつもと同じ手順で。
特にコレという話はせず
ただぼんやりとした時間が流れていた。
あの時間の感触は今でも残っている。
後にも先にも、こんな管理職には出会わないだろうな
と思ったことも。

先生のコーヒーを飲みながら
久しぶりにあの時の静かな気持ちを思い出した。
研究室での柔らかな時間もまた
こうして一区切りを迎えるのだと
改めて思ったら
なんだかじっとしていると
あっという間に時間がすぎてしまう気がして
何かしゃべらなきゃと焦燥感に駆られた。
時間に対する、悪あがき。
今思えば
あの時間をもっとかみしめればよかったなぁ、と
ちょっと後悔したりもするけれど。

時間の流れに対する「切なさ」という呼応。
もしかしたら
前に進むために
この感情はあるのかもしれない。
ちょっとだけそんな事を思った。

おセンチになりすぎダ・・(*・_・*)ゞ

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今日のこの日を迎えられたのも
手前勝手さにもあきれずに
辛抱強く向き合って下さった先生や
笑顔で受け止めてくれた友人たちや
さりげなく励ましてくれた職場の人たちや
何も言わずに見守っていてくれた
身近な家族たちや
blogで愚痴に付き合ってくださった
みなさんのおかげです。
本当に、どうもありがとうございます。

出会えて、本当に良かった。
心からそう思います。

(なんだかお別れするみたいな閉じ方に・・・アレ?
             今後とも、どうぞ宜しくです。)
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by uminomiti | 2006-03-17 08:55 | てくてく。
ふと、なんとなく考えたこと、感じたこと、な日々。