ことばでは追いつかない

苦しさも悲しみも、ぐっと体にしまいこんで
くちびるをかみ締めながら、ぎゅっと手を握りながら
どれだけ寄る辺ない夜をすごされているのか・・
そんなあなたを、ぎゅっと力いっぱい抱きしめられたら
どんなにいいだろう。

あなたが今ここにあるということ、心からうれしい。
どうか、生き抜いてほしい。
光のほうへ。
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by uminomiti | 2011-03-27 21:55 | そして。

うつくしいもの

仕事を終え、部屋を出た。
館内はすでに灯りが落とされていた。
窓越しに浮かぶ街灯の明るさを頼りに歩く。

外に出ると、むっとした熱気に包まれた。
しばらく歩き続けていると、首筋がじんわりと汗ばむ。
ここはやはり日本とは違うんだ、と改めて思う。

部屋に着き、早々にベッドへもぐりこんだ。
しばらくの時間眠れたせいか、目が覚めると頭がすっきりしていた。
窓を開けぼんやりと外を眺めると
おじいやおばぁ、山羊や馬、木や男の子らが
地べたに座り、夜のなかを語り合っている姿が見える。
誘われるように、サンダルをつっかけ散歩へ出た。

暗闇の中、湿気のある風が流れている。
おばぁたちと同じように、腰を下ろした。
土はあたたかく、青い草の匂いがした。
寝転ぶと、空には隅から隅まで光る点が埋め尽くしていた。
隙間が無いんじゃないかと思うほど、びっしりと、ぎゅっと。
なんてうつくしいんだろう。
ただただ眺めていた。

眺めているうちに、怖いなぁとなんとなく思う。
だけどまだ見ていたい、とも思う。
そのまま眺めていた。

あなたにも見せられたら。
目が覚めたときに、そう思ったんだ。
うつくしいものをともに、と。
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by uminomiti | 2010-01-06 06:36 | そして。

2010

物事のはじまりは、軋轢の中にある。

迷ったり、怒ったり、喜んだり、くすぶったりしながら
わずかながらでも前に進んでいく。
そんな毎日であれば、と思う。

ゆっくりと、くさらず、たおやかに。

今年もどうぞよろしく。e0082908_1150843.jpg
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by uminomiti | 2010-01-01 00:00 | そして。

蒼く

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いつの間にか雨が止んでいた。
窓を開けると、うきわを体にたすき掛けした子供たちが
颯爽と自転車で駆け抜けて行く姿が見えた。
いまここの瞬発的なエネルギーの向けかたが、とてもまぶしい。

散歩がてら、近くのスーパーまで買い物へ出かけた。
店内には多くの人でごったがえしている。
かごを取ろうと視線を向けると
視界に入ってくる姿があった。

賑やかな店内の中で、全身に静けさを漂よわせ
ひっそりとベンチの片隅に座っていた。
いるようで、いないような
ぼんやりとあるようで、ないような
不思議な佇まい。
なんとなくゆるやかな水を連想させる人だった。
彼の視線のその先にあるものは何なのか
興味があった。

視線の先には
買物を終え荷物の重さを互いに分け合うご夫婦の姿があった。
彼らもまた静かな佇まいだった。
なんとなく小さなふた続きのサボテンみたいだな、と思う。
視線を戻すとすでに彼の姿はなかった。
わずか数秒の出来事。

肩まで伸びた、柔らかさそうな黒髪。
グレーのウールジャケット。襟元には藍色のマフラー。
ご夫婦を眼差していた深い沼のような目。
なぜ印象深く感じたのだろうと
夕食を作りながら、違和感を覚えていた。
彼の全身にまとわれていた静謐さと
ぼやけた輪郭。
季節に交わらない服。
彼は何をみつめていたんだろう。
そしてあのベンチの時間は、本当にあったのだろうか。
                   
                      ★


本屋に寄る。芸術新潮のトミー・ウンゲラーの特集を見つけた。
なるほど、と思う。
すてきな三人組のそのさまは、今日見た彼の印象そのものだった。
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by uminomiti | 2009-07-28 23:28 | そして。

今日の天気、快晴。e0082908_10193512.jpg

朝、セミの泣き声で目が覚める。
ベランダに出てみると、ミンミンゼミが3つも
壁にへばりついていた。
羽ばたいて自分に飛んで来る恐怖を想像して
とりあえず見なかったことにして、窓を閉める。
現実より、想像している
自分の頭の中のほうがたぶん怖い。

ここ1週間会社帰りにいくつか映画を観た。
劇場で上映を待っている間
これから先上映予定のチラシを眺めるのが常なのだけど
チラシが並べられている棚を眺めていたら
そこにあの作品があって驚いた。

松本大洋の「鉄コン筋クリート」。
うわ。映画化されるんだ。
画風が違うという事は、原作者はタッチしないのか....。ちょっと残念だなぁ。

松本大洋作品に初めて触れたのが、この鉄コン筋クリート。
読んでみたら、もう一発ノックアウトだった。
どこしらいびつな中でも均衡を保っている街の中で
息吹いている登場人物たちは、ものすごく魅力的で。
それぞれの「足りないネジ」が一体何なのかを掴んでいくお話しなのだけれど
読んでいて何よりも「こうあるべき」というものが無いのがいい。
どの登場人物たちも必然というか。絶対的な善や悪といった定義づけがされていない。
どこかしら非日常的な世界でファンタジーのような繊細な感じがするものの
テーマ自体はとても骨太な感じ。
映画はどんな感じに仕上がっているんだろうか。公開は12月23日だそう。
今から楽しみだなぁ。

( この鉄コン筋クリート。
  第19回東京国際映画祭に、特別招待作品として決定したそう。
  ということは、2006年10月21日(土)~10月29日(日)の間で
  上映される日があるということ...。
  一足先に観たいなぁ...。 )

で、その日はゲド戦記は時間が合わず(くぅ~っ)
はちみつとクローバーを観てきましたが。
これもまた原作が大好きで。
がしかし...ちょっとだけ期待はずれな感が否めない気が。
友人も観たって言っていたなぁ。感想聞いてみよう。
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by uminomiti | 2006-08-03 10:19 | そして。

■  本日の幸せ。

今日の天気、すこぶる快晴。

窓の向こうに浮かぶ雲を、ぼんやり追うと
いつの間にかすっきりとしたブルーが広がっていて。
もうすっかり夏の空なんだなぁ。

じりじり射すような日差しを感じつつ、とりあえず家から出た。
自分を虫干し、とプラプラ散歩。
途中レンタル屋に寄る。
ずっと貸し出し中だった例の映画が戻ってきていた。
今日の時間が肯定されているような
なんだかそんな気分。
ささやかな、本日の幸せ。

いくつか観たかったモノをレンタルして、ガリガリ君をかじりながら帰宅。
今宵は豪華映画4本立て。 さて、どれから観よう。

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by uminomiti | 2006-06-20 20:55 | そして。

久しぶりだ。
こんなに観終わった後、ボォッとする映画は。
劇場からの帰り道
しばらく頭の中は
この映画でいっぱいだった。

e0082908_21165856.jpg『 RENT / レント 』
◇監督  クリス・コロンバス ◇配給 ブエナビスタ
◇上映時間  2時間15分

家賃(レント)も払えないほどの暮らしをしている
若きアーティスト達のイースト・ヴィレッジが舞台。
それぞれが様々な背景と問題を抱え
(貧困、犯罪、エイズ、ドラッグ、同性愛、友の死..)
夢と現実の間に悩み、苦しみ、迷い、ぶつかり
もがきながらもそれでも諦めずに
何かを見出そうとしていくその姿を
1年という時間を通して
つぶさに描いている作品。

圧倒される程の、声と歌詞。
特にオープニングの「Season of Love」は
胸を打つ曲。
1年は52万5600分、あなたの1年をはかる基準は何?と
問いかける歌詞が、グッとくる。
劇場から出ても、この曲が頭の中でぐるぐる回っていた。

未来も過去も無い
あるのは自分だけ。
この瞬間しかない。
後悔をしていると、人生を逃してしまう。 
今を生きるのだ、と
主人公達は語る。

限られた時間の中で
自分の人生をどう生きていくのか。
そして、誰とその人生を共に過ごしていくのか..。
いい映画だなぁと思った。
映像として見るというよりも
どちらかといえば、音に身を委ねる
そんな感じがする作品だった。

余談ですが。e0082908_8215026.jpg
実は「ヨコハマメリー」を観たくて出かけたのです。
それはそれはの大行列に、断念。
諦めて「ブロークン・フラワーズ」を求めて移動。
しかし絶望的に時間が合わず。
諦めて「明日の記憶」にしようかと移動。
しかしそこは更なる大行列。
これでどうだー、と「RENT/レント」に決定。
予想以上に感動したのは
きっとこの期待のなさも加味してる?(笑)

******************************

○公式HP  RENT/レント(日本)

         RENT/レント(US)

○劇中音楽がここで10曲フルで聴けるようです。(Season of Loveも。)
         SOUNDTRACK

○ブロードウェイミュージカル RENT/レント
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by uminomiti | 2006-05-14 23:43 | そして。

人間が一番怖い。

一足早く試写を見ていた友人が
<色々な引き出しがある映画>と評していた
作品を観てきました。

「エミリー・ローズ」

CMでは、女性の動きや悲鳴が強烈なインパクトを
発していたけれども。
観た感じ、どちらかといえば
そんなに大げさな動きや音響などは使われてなく
淡々とそしてじわじわと描かれていて。
だから、余計に観る側に考えさせる。


< あなたならどう考えるだろうか。
        そして
         何を信じているのだろうか >


面白いな、と思ったのが
裁判という場が中心であるということ。
そして裁判における
事例の取り扱われ方。

「真実」をめぐる様々な視点。
それぞれの角度からの攻撃と攻防。
文化社会的な「法」という側面に対しての
「超自然現象」の取り扱われ方。
「正規医療(DSM)」と「民間医療(悪魔祓い)」。
「信仰心」と「宗教」。
「悪」と「悪魔」。

映画でもうひとつ取り扱って欲しかったな、と
思うのが、家族たちの想いの部分。
なぜ正規医療ではなくて、民間医療(悪魔祓い)を
選んだのか。
どのように決断し、選択したのか。
それを信頼する誘因というものは
どのようなことだったのか。
実話が元のこの映画。
家族たちの語りの部分を
ちょっと聞いてみたかったな~。

想像以上に面白かったなぁ。


でも。映画を観たその日の夜
寝る前にフト映画を思い出し(後悔)
恐怖に駆られてしまった。
「カミサマ、どうか3時に目が覚めませんように・・」
と願いながらフトンへ。

・・・やっぱり悪魔って、怖い。
そう考えているジブンの認識もちょっと怖い。
人間の頭の中が、一番怖いのかも。
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by uminomiti | 2006-03-13 01:29 | そして。

I ♡ 悪役

e0082908_22465465.jpg部屋を片付けていたら。
棚の後ろから埃にまみれた
1枚のCDが出てきたケースを拭いてみたら・・・
まぁ、なんてなつかしい。
なんと、9年前の映画のサントラアルバムだった。

この映画、ほんっとに良かったのですよ。
何度映画館に通ったことか。

1996年上映された、ディズニー作品
「 ノートルダムの鐘 」
この作品を見るまで
ディズニー作品は子供が主体で
道徳的で健全な作品という感があったけれど。
でも。この映画はそれだけでなかった。
それまでの作品ではほとんど扱われなかった
悪役の内面が描かれていて。

悪役フロローの描かれ方が、すんばらしく素敵だった。
フロロー自身が、じぶんの内面にある
邪悪さや欲望(蔑みつつも恐れ,そして激しく魅かれていた)
ということに気づき、悩み、葛藤し
それらが次第に肥大化していくさまが
丁寧に描かれていた。
なかでも、妄執の赤い炎に包まれる
フロローの内面を表すシーンは
何度も繰り返し見たいくらいに、圧倒的な美しさがある。
彼なりの「正義」とそれに対する「自分の揺らぎ」。
悪役の描かれ方が、深いな~と思ったのです。
I ♡ 悪役。

なにかお勧めの作品、ありますか?教えてください~。
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by uminomiti | 2006-01-16 23:47 | そして。
ふと、なんとなく考えたこと、感じたこと、な日々。