2010

物事のはじまりは、軋轢の中にある。

迷ったり、怒ったり、喜んだり、くすぶったりしながら
わずかながらでも前に進んでいく。
そんな毎日であれば、と思う。

ゆっくりと、くさらず、たおやかに。

今年もどうぞよろしく。e0082908_1150843.jpg
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# by uminomiti | 2010-01-01 00:00 | そして。

蒼く

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いつの間にか雨が止んでいた。
窓を開けると、うきわを体にたすき掛けした子供たちが
颯爽と自転車で駆け抜けて行く姿が見えた。
いまここの瞬発的なエネルギーの向けかたが、とてもまぶしい。

散歩がてら、近くのスーパーまで買い物へ出かけた。
店内には多くの人でごったがえしている。
かごを取ろうと視線を向けると
視界に入ってくる姿があった。

賑やかな店内の中で、全身に静けさを漂よわせ
ひっそりとベンチの片隅に座っていた。
いるようで、いないような
ぼんやりとあるようで、ないような
不思議な佇まい。
なんとなくゆるやかな水を連想させる人だった。
彼の視線のその先にあるものは何なのか
興味があった。

視線の先には
買物を終え荷物の重さを互いに分け合うご夫婦の姿があった。
彼らもまた静かな佇まいだった。
なんとなく小さなふた続きのサボテンみたいだな、と思う。
視線を戻すとすでに彼の姿はなかった。
わずか数秒の出来事。

肩まで伸びた、柔らかさそうな黒髪。
グレーのウールジャケット。襟元には藍色のマフラー。
ご夫婦を眼差していた深い沼のような目。
なぜ印象深く感じたのだろうと
夕食を作りながら、違和感を覚えていた。
彼の全身にまとわれていた静謐さと
ぼやけた輪郭。
季節に交わらない服。
彼は何をみつめていたんだろう。
そしてあのベンチの時間は、本当にあったのだろうか。
                   
                      ★


本屋に寄る。芸術新潮のトミー・ウンゲラーの特集を見つけた。
なるほど、と思う。
すてきな三人組のそのさまは、今日見た彼の印象そのものだった。
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# by uminomiti | 2009-07-28 23:28 | そして。

 贅肉

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先日、友人とぼんやりと飲んでいたら
「あまりにもアンタは女度が低すぎる。色気が皆無。」と
愛のある指摘が飛んでくる。
本当にそうなので、なんとも返す言葉がなく
しばらくごにょごにょとお酒で濁す。

歳を重ねれば自然にかもし出されるものが
色気というものの一部だと思っていたのだが
実際はそれだけで得られるものではないということを
最近理解し始めている。
さらりとそれらを厭味なく自然にまとう人もいる。
どんな時間を重ねていけば、あぁなれるのだろう。
心地よい、さらりとした感触に。

ふと、髪でも切ろうかと思い立ち美容室に寄ってみる。
鏡を前に自分を直視するのがなんともむずがゆくて
店員さんとの話へ気持ちを流す。
えぇ、そうそう、うんうんって、何をしに来たんだっけ?
おそるおそる鏡を見ると
予想よりもはるかに明るい色の頭をした自分の姿があって
心底驚く。
いかがでしょう、という店員さんの声に背中をおされつつ
えぇ、ごにょごにょと濁し店を出る。

とぼとぼな気持ちになり、本屋へ寄る。
穂村さんと春日さんの対談集を見つけ、しばらく眺め
ちょっとほっこりした心持ちになり、ゆっくり歩いて帰る。
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# by uminomiti | 2009-07-22 23:48 | とほほ。
ふと、なんとなく考えたこと、感じたこと、な日々。