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それぞれの、正しさ。

仕事帰りにスーパーに寄った。それぞれの、正しさ。_e0082908_145159.jpg
開店時間の5分前。
早く着きすぎてしまった。
ぼけ~っとしていたら
元気な声が聞こえてきた。

店内では同じ制服姿の店員さん達が
横一列に並び挨拶の練習をしていた。
一様に
同じ姿勢で、同じ唇の動きをして
同じ笑顔を作っていた。
なんだか少し怖さを感じてしまった。

開店の時間。
扉が開放され、待っていた人たちが
一斉に店内に流れていった。
と、その時。

「おめーまたやってないじゃないか!!」

隣にいた30才なかばくらいの男性が
いきなり大声を上げた。
私のことなの??えええ???
訳わかんないなーと思った。

ところがその男性の視線は
入り口で客を出迎えていた、店員へ向けられていて。
店員さんも何のことやら、みたいな
困惑した表情をしていた。

その後数分間、店員に対する罵倒が
店内の隅にまで響き渡るほどの大音声で続いていた。
どうやら、店内用車椅子を入り口において欲しいと
来店時に2度、店員に伝えていたのだとか。
それに対し、「わかりました」と返答していたのに
今日来てもそれがなされていなかった、というのが
主訴だったよう。
それ(クレーム)に対する店員の応答もいまひとつで
さらに火に油をそそぐ状態だった。

車椅子の使用者は、その訴えた本人ではなくて
初老の女性(身内の方かな?)だったのだけれど
店員が持ってきた車椅子に、バツ悪そうに座っていた。

店内でその声とやり取りを聞いてると
あきらかにその訴えた男性の主訴は正しいのだけれども
大声で罵声を上げる訴え方に
その場に居合わせただけでも、げんなりだった。

店員も、その車椅子の女性も、
訴えた本人もげんなりしているだろう。
その場にいた誰もが救われないなぁ、と
なんとなく思った。

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次の日。
長年仕事をされてきた方が退職を迎えるので
何か渡したいな、と思い花屋に行った。
その人の柔らかで、静かな佇まいによく似た
ブーケを見つけ
「ヨシコレダ!」と思って
会計をすませに行った。
新人とおぼしきかわいい女性が来た。

店員A:「贈り物ですか」
umi :「はい」
店員A:「今日中に贈られるんですか」
umi :「いえ、明日なんですが」
店員A:「そうですか。では、お花を長持ちさせる
    お薬を入れておきますね」

と、そこまでは良かったのだけれど。
奥にいたちょっとベテランさんな店員さんが出てきて
新人Aに耳打ちしている。(聞こえてますがな・・)
どうやら明日までに花が咲いてしまうから
他のを勧めろと言っているようで。

店員A:「ちょっと明日までに咲いてしまうようなんで
     これなんていかがでしょう?」

と、別の花を勧めてきた。
けれども、最初に見つけたブーケに決めていたので
やんわり断った。
花が咲いてしまう事は別にかまわない事も併せて伝え
最初に選んだもので会計を済ませたい旨話した。
じゃぁ、ということになった。

ところが。

またまた奥から、ベテランさんな店員が一言

店員B:「だから咲いちゃうって!そういったでしょう?」
店員A:「それもご理解されて・・」

店員Bは奥から出てくる事なく、顔だけくるっと向け
私に一言投げてきた。

店員B:「明日にはこの花のつるがくにゃっと
    曲がっちゃうのよ。
    それを相手に渡すのは失礼でしょう?」

(ハイ??別に明日つるの上だけ切ればいいのデハ?
 売りたくないのかなー?真意はなんなのだろうか?)

umi :「それでも、結構なのでこれで・・」
店員:「だから、駄目ですって。違うのにしてください。
    形が損なわれるのは明らかですから。」

(販売拒否かよー byさまーず)

この時点で、花の専門家としてのプロ意識からくる
販売拒否だったんだろうなぁ、というのは
想像できるんだけれども。
仕事に対する誇り、とか
花に対する愛情もわかるけれども
あなたの正しさを全ての人が求めるわけでは
ないのになぁ、とも思う。
それを押し付けられてもナァ。
正直、困ってしまったし。
間に入った店員さんにも、困らせてしまった。
その主張した店員さんも、ある意味困ったんだろう。

この2日間で思ったことは
「正しさ」ってなんだろかー?ということ。
それぞれが、自分の中の正しさを
主張していた。
そして、こうして考えている自分もまた
ジブンなりの正しさというものがある。
それぞれが違う正しさ、を持っている。

誰もが気持ちよく思いを交わす、ということは
困難な事だろう。
だけども、ちょっとした言い回しや
態度なんかで
それらを手助けすることは出来るんじゃないのか、とも
思ったりする。
上辺だけの事が意味あるのか無いのかは別として。

投げかける人。受けとめる人。
いろんな思いを抱きながら
たくさんの人と言葉を介して
毎日が成り立っている。
そんなことをぼんやり考えたり。

長くてスミマセン...(´人`*;)
by uminomiti | 2006-03-29 14:03 | とほほ。
ふと、なんとなく考えたこと、感じたこと、な日々。

by uminomiti