沁みる夜。 

今日の天気、晴れ。e0082908_10234550.jpg

「少しでもいいから、時間いい?」
そう連絡があったのは
残業を終えて帰ろうと、バスに乗り込んだ時だった。
無理を言わない友人からのそれは
いつもと何かが違うと瞬時に感じさせるものだった。
最寄の駅で待ち合わせることにした。

遠くから彼女を見た瞬間、しんどうそうだなと思った。
何か鬱蒼とした雰囲気を身にまとっていた。
近くの店で暖かいものをとる事にした。

ぽつりぽつりと語り出したのは
新しい命を育む喜びとその不安の、入り混じった想いだった。
結婚後間もない、生命の誕生に戸惑ってしまったそうだ。
まだ彼(夫)との価値観のすりあわせもままならず
生活自体もバタバタしているのに
どうしてこんな時期なのか...
嬉しさよりも、どうしようの気持ちが大きいようだった。
聞くべき相手は、私ではなくてそのパートナーなんだろうな、と
ふと思う。
私を通して、今彼女は彼に向けて想いを発しているんだろうか。
本当は何が一番不安なのかを自分で探りながら。
いや、もしかしたらもうわかっているのかもしれない。
語りだす口を見つめながら
ただただその言葉を反芻する自分がいた。

迷い、立ち止まっている時間と
自分の体内で着実に育まれ、進んでいる時間。
内面の変化を感じながら、今あるべきことに想いを馳せること。
私にはまだわからない感触だ。
愛しさと、不安に揺られながら
彼女は断ち切れない渦の中へ、飛び込んでいくことを悩んでいた。
覚悟を決めるのは自分でしかないのだ、ということが
痛いほど身に沁みる夜だった。

自分にも訪れる日が来るのだろうか。
ただ漠然と思う、そんな夜。
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by uminomiti | 2006-10-18 11:30 | とほほ。
ふと、なんとなく考えたこと、感じたこと、な日々。